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 鴨長明の“方丈”(京都府京都市)  〜鎌倉時代のモバイル住宅〜 
みみよりアーカイブ > 住>鴨長明の“方丈”

 2004年〜2012年の記事です。内容が古くなっている場合がありますのでご注意下さい。

●“方丈”って、このことだったのか!

鴨長明が「方丈記」という随筆を書いたと言われても、そうだったかもしれないと、感動のカケラもありませんが、“方丈”の現物を見たら、おおいに心を動かされました。
“方丈”って、鴨長明が開発した、組立式、移動住宅のことだったんだ、と。

京都の下鴨神社を訪れたときのことです。参道の脇に別の神社がありました。河合神社という名前のようです。
ふと立ち寄ってみると、そこに“方丈”が建っていました。
説明が書いてある立札を読んでみると、“方丈”とは、鴨長明がつくった、1丈(約3m)四方の大きさの家のことだということがわかりました。しかも組立式。
ここ、河合神社の神職の家に生まれながら、世をはかなみ、50歳で隠とん生活を始めた鴨長明が、移動しやすいように開発したものでした。

“これって、モバイル住宅ですね”と、同行の方と盛り上がってしまいました。
パタパタとたたみ、荷車にでものせて材を運び、気に入った場所があれば、パタパタと組立てて、庵をむすぶ。
家なんか、これで充分ではないかとも感じさせられました。簡素にして美しい。

あらためて「方丈記」を読んでみると、鴨長明、本人は、決して愉快な気持ちでつくったものではないようですが、私は“欲しいっ!”と思ってしまいました。
ピックアップトラックに乗せて、“方丈”で全国行脚…。そして、もちろん、「新・方丈記」というエッセイを執筆する…。

なお、同じ境内に、日本サッカー協会のシンボルマーク、三本の足をもったカラスの神様、「やたのからす」を祭ったお社もあります。

鴨長明が考案した“方丈”を再現したもので、大きな屋根の下がその本体。5畳半ほどの広さです。

 

 

京都の下鴨神社。原生林の植生が残る、糺の森(ただすのもり)も見どころ。

 

 

 

 

     

 

 

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