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本枯れ鰹節・削りパック 〜静岡県西伊豆町田子 カネサ鰹節商店〜 | ||
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2004年〜2012年の記事です。内容が古くなっている場合がありますのでご注意下さい。 |
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●工場見学 5代目、芹沢安久さんに、かつお節製造工場を案内して頂きました。 五月晴れで、暑いぐらいの午後、風通しの良い場所で、数人の方々が座り込んで作業しています。飾り気のない建物の中に歴史を感じさせる設備が並び、不思議な時の風が吹き抜けます。 この日の作業は、かつお節のキズを補修するという作業でした。かつお節は、燻して乾燥させると、どうしても節にキズやワレが入ります。そのままカビ付けすると、キズやワレにカビが入り込んでその部分だけ堅くなったり、味にばらつきが出てしまうのだそうです。そのため、かつお節1本1本修復します。かつおのすり身をすり込むのです。 作業をしている方々をそばで見ていると、もちろん手は忙しく動かしているのですが、心ゆったりと働いているように見えてしまい、ここで働きたいなあと思ってしまいました。 |
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工場は約1000坪の敷地だということでしたが、最初にかつおを処理する場所、燻製する場所、カビ付けする場所、発酵させる場所、干す場所など、各製造工程によって場所が決められています。それも、ただ漫然と決められているわけではなく、湿気の高い場所、低い場所など、工程にふさわしい場所が選ばれているのだそうです。 燻製する炉も見せて頂きました。 |
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●伊豆のかつお節 カビ付けの回数を4・5回行い、カチカチに仕上げたのが本枯れ節です。江戸時代、何度もカビ付けを行うという新しい加工法に挑戦して、独特の製法を生み出したのは、伊豆の製造家です。この伊豆節が基本となり、現在の本枯れ節が、東日本を中心に広まっていったのです。 カネサのかつお節は、もちろん本枯れ節で、6~7回もカビ付けするそうです。1回カビ付けの回数を増やすと、半月ほど余計に時間がかかってしまうということです。 |
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●本枯れ節と亀節 本枯れ節(普通のかつお節)と亀節の違いは、かたちの違いであり、原材料となるカツオの大きさの違いで作りわけます。工程に関しては、亀節も本枯れ節と同じです。 |
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●きめ細やかな加工調整 魚に関しては、よく、“脂がのっていておいしい”と言いますが、かつお節作りにおいては、「脂はなくてもだめ、ありすぎてもだめ」なのだそうです。「脂が多すぎると酸味につながってしまう」ということです。 ご存知のようにカツオは黒潮にのって回遊します。春~夏は太平洋を日本列島に沿って北上し、宮城県、岩手県沖まで北上し、夏~秋にかけて南下し、南太平洋に帰っていきます。その帰りのカツオを「下りカツオ」とか「戻りカツオ」といい、十分にエサを食べて成魚になっているので、鮮魚としては、脂がのっておいしいとされます。 芹沢さんによると、「仙台までのぼると脂がのってしまって、もうだめ」だそうです。4・5月ころ、まだ房総沖でうろうろしている連中ならまだいいのでしょうか。むずかしいものです。 もっとも、こういった近海ものは、今では貴重品で、あまり使うことができす、遠洋で捕獲され、焼津港で水揚げされるカツオが主な原料となります。近海ものに比べれば、品質の差が少なくて扱いやすいとのことですが、冬のものはやはり脂が多くなるそうです。 このように、季節によって、原材料の状態が違うわけですから、加工する場合にも、その違いに対応しなければならないということになります。大量生産だとそこまで出来ないのかもしれませんが、カネサでは、こまわりの効く特徴を生かし、原料の状態に合わせて、きめ細かく調整しているのだそうです。その結果、ダシをとったときにも、苦みや濁りが出ないかつおぶしができるのです。ありがたいことですね。 |
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かつおぶしは、なんとその77%がタンパク質であり、良質なタンパク質のかたまりといえましょう。 ぜひ、日本が世界に誇る食品を、日常の食事に取り入れ、美味に舌を打ちましょう。 |
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●「NPOえがお・つなげて東京交流会」でのお話 (「NPOえがお・つなげて」については かつお節の作り方、歴史、伊豆節と他地域のかつお節との違い、現代におけるかつお節製造業としての悩み、子供を対象にした体験教室の取り組みなどなど。 また、“ここ10数年かつお節の値段が変わっていないという状況の中、サラリーマンで稼いだ方が稼ぎがいいのはわかっているけれど、親父さんには、最後まで本物のかつお節を作らせてあげたい”、“かつお節という日本が誇る食品をみんなに使って欲しい”と、静かな語りの中にも、芹沢さんのかつお節に対する力強い想いも伝わってきました。 さらに、完全に仕上がるまでの、いろいろな段階のかつお節も持参して頂いたり、実際にかつお節を削ってみたりと、見たり触ったり削ったり、貴重な体験ができました。もちろん、削り立てのかつお節は美味! まさにかつお節を体感した1日となりました。 |
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