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ル・シァレ 〜都会の中の山小屋(Le Chalet)〜 | ||
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2004年〜2012年の記事です。内容が古くなっている場合がありますのでご注意下さい。 |
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●「ル・シァレ」の一日 「ル・シァレ」の朝は9時頃から始まり、そうじなどの開店準備をします。 「ル・シァレ」のオープンは10時。さわやかな午前中が過ぎると、忙しいランチタイム。 平日の夕方6時からは、通称“常連タイム”。誰がお店の人か、お客さんかわからない状況になったまま閉店時間になり、片付けをして、一日が終わります。 10人もお客さんが入ると、人がいっぱい、という印象の小さなお店ですが、いろいろな人が訪れます。取材に伺った日(2005年夏)も、さまざまな人がお店に来ていました。 幼い子を連れたお母さん、となり合って座るカップル、向かい合って話し込む女性2人組、混雑する週末は避けるという正しい常連客の姿勢を示すおばあちゃん、仕事の途中か?仕事帰りか?ビールを飲むおじさん2人組…。 そんなお客さんたちに混じって、「ル・シァレ」と「ルヴァン」の要、甲田さんがさりげなく座っていたりもします。 お客さんもお店の人も、一緒になって「ル・シァレ」というお店をつくりあげているんだなと実感しました。 |
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●中嶋さんに聞きました。 「ル・シァレ」は、「ルヴァン」のcafe、ともいえるお店ですから、私たちお客としては、美味しいパンを期待して行きます。 中嶋さん自身、「ル・シァレ」で、コーヒーのいろいろな味わいを、あらためて知ったそうです。 ガブガブ飲んで美味しいコーヒーもありますが、ここでは、コーヒーのもついろいろな味わいや、味の移ろいを、ゆっくりと、時間をかけて楽しみたいものです。 中嶋さんは、“必要以上にお客様扱いをせず、できるだけ普通に、お客さんと接するようにしたいと思っています”とも話してくれました。おかげで“ほっ”とできるお店の雰囲気の中で、心地よくコーヒーを味わうことができます。 コーヒーの豆は、気心知れたいくつかの自家焙煎珈琲店に、「ル・シァレ」用の“焼き”具合で焙煎してもらっています。 コーヒーが好きなお客さんは、コーヒー豆がどういう状態かを聞いて、豆の種類を指定して注文するのだそうです。 もともと、「ル・シァレ」の美味しいコーヒーのかたちを築いたのは、以前、長く中心となって働いていた方。 “毎日の積み重ねって本当にすごい”と話す中嶋さん。今までに築かれてきたものを大切にしていくという姿勢が、お店の“安心感”を生み出しています。 |
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●山下さんに聞きました。 もともと1週間に1度は通うお客さんだったという山下さん。 「ル・シァレ」(Le Chalet)は、フランス語で山小屋という意味。 外からお店の中をのぞいてみたとき、混んでいるようでも、かまわず中に入ってみましょう。お店の人とお客さんが協力して、席をあけてくれることでしょう。「ル・シァレ」では、相席があたりまえのことなのですから。 なお、このような小さなお店ですから、基本的に予約は受けていないとのことです。 現在、甲田さんを筆頭に、「ル・シァレ」が2人、「ルヴァン(富ヶ谷店)」の製造が4人、販売が3人、というメンバーだそうですが、皆、仲がよく、家族のようだといいます。 季節のパンやパイのために、よもぎや夏みかんを下ごしらえするのも、「ル・シァレ」「ルヴァン」問わず、手のあいている人同士、協力しあって作業するのだそうです。 たまに、お客さんに“ここは家族経営ですか?”と聞かれることもあるとか。 お話を聞いていて、本当にこのお店が好きなんだなということが伝わってきました。 |
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●変わる空気、変わらない空気。 お店に一歩入ると空気が変わると、口をそろえるお店の人たち。 代々木八幡の駅から3分ほど細い道を歩いてきて、交通量の激しい井の頭通りを、「ル・シァレ」の目の前にある信号で渡り、道路とお店をへだてている小さな段を上がり、お店の中に足を踏み入れると、そこには別の空気が流れているのです。 10年という年月の間に、お店の人もお客さんも一緒になって築いてきた空気。 疲れたときには元気をもらえ、 ちまたに、cafeやオシャレなお店はあふれていますが、本当にほっとできるお店はなかなかありません。しかも、そんなお店の雰囲気づくりに誰でも参加できるのが「ル・シァレ」。 手づくりのやさしさが伝わるお店の造り、お店の人の笑顔、面白い話をしていくお客さん、さりげなく置いてある愉快なモノ、季節の飾り、心にも体にも美味しいもの…。 今日も、「ル・シァレ」での時間が心地よく過ぎていきます。
「ル・シァレ」(cafe) 小田急線 代々木八幡駅より徒歩5分 「ルヴァン富ヶ谷店」(天然酵母のパン屋さん) |
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