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(みつばちプロジェクト)
 すいか糖 〜秋田県横手市雄物川町 おものがわ夢工房〜
みみよりアーカイブ > 商品物語>すいか糖

 2004年〜2012年の記事です。内容が古くなっている場合がありますのでご注意下さい。
 現在、この商品の取扱いはありません。

●なぜか、なつかしい?西瓜糖

口にするのが初めてでも、なぜかなつかしさを感じる西瓜糖。
なんでも、明治から大正時代にかけて、けっこうちまたに出回っていたとか。スイカの薬効を期待した民間薬のようなものだったのでしょう。
その中でも有名だったのは、やはり、神田は須田町にある、老舗の高級果物店「万惣(まんそう)」の「西瓜糖」だったのでしょうか?
(余談ですが、このお店の2階にあるフルーツパーラーのホットケーキは、現在、有名です。)

また、今では、健康食品として出回っている商品も多いようです。実際、漢方では、スイカの利尿作用などの薬効を古くから利用しています。

スイカの産地では、郷土食のように、西瓜糖を作って利用していたようです。
富山を例に挙げると、真夏のおやつとして、そのまま食べたり(なめたり)、ふかしたジャガイモに西瓜糖をかけて食べたりしたとか。農作業の疲れをいやしてくれたそうです。

ところで、東京オリンピックの男子マラソンで優勝したのは、エチオピア出身のアベベですが、レースのときのスペシャルドリンクの中身は、なんと、スイカをベースにしたものだったとか。

時代感覚不詳の不思議なすいか糖。(写真は、幻の旧タイプ商品)

ジャムのようにも使えます。ただし、食べ過ぎませんよう。(写真は、幻の旧タイプ商品)

●「すいか糖」の利用法

さて、この「すいか糖」、ジオライフ的にはどうやって使いましょうか。

まずは、ジャムと考えて、パンにぬったり、ヨーグルトにかけたりして食べる。
砂糖などの甘味料は一切使っていませんが、糖度は65度ありますので、けっこう甘い。

ぜいたくな使い方かもしれませんが、ノンシュガーのおやつ作りにも使えます。

牛乳で溶くと、カラメル風味の、とてもおいしい飲み物になります。あっためても、冷たいままでもいけます。
牛乳があうのなら、チーズだってあうのでは。
南アフリカでは、チーズの上にジャムのようなソースをかけて食べることもあると聞きました。ならばすいか糖だって…。

また、さまざまな効能を期待して、毎日1~2回、スプーンにひとさじ分をなめる。あるいは、お湯で溶いて飲む。

いろいろな使い方を楽しんでみて下さい。
すっきりした甘さなので、その気になれば、一気にけっこうな量を食べられそうですが、食べ過ぎにはご注意。

●小説「西瓜糖の日々」
  ( 原題:IN WATERMELON SUGAR )

1964年、カリフォルニアで、リチャード・ブローディガンによって書かれた、幻想的な小説です。
一読しただけでは、何がなんだかよくわかりませんでした。小説らしい小説という言い方もできるかもしれません。

ぜんぶ西瓜糖でできている小屋、板材プレス機で作る黄金色の西瓜板、西瓜糖でできていて甘い香りを放つドレス、西瓜の種から作られるインク、また、西瓜鱒油という、不思議な油も登場します。
どうやら、あらゆるものが西瓜糖でできているユートピアのような村の日々を描いたお話のようです。

訳者の藤本和子さんは、あとがきに、「西瓜糖の世界の 物語は実際にアメリカで60年代と70年代の前半に、さまざまな人々によって試みられたコミューンの体験を思いおこさせる。…」「西瓜糖の世界をきずいたのは過度な欲望や、名声に対する野心や、暴力や破壊や抑圧のない世界をもとめる人々だった。…」と記しています。
ひょっとすると、これは、今でいうスローライフを求める動きに近いものがあるかもしれません。
そう思うと、もう一度、ゆっくりと読みたくなりました。

読書として手頃なページ数なので、旅先で読むのもいいかもしれません。もうひとつの暮らしづくりを考えながら。

ところで、アメリカには「西瓜糖(WATERMELON SUGAR)」という食品が実在するのでしょうか?

おいしいコーヒーとともに、ゆったりと読んでみたいものです。

現代美術とコーヒーとワインと。

●ギャラリーカフェ「西瓜糖」
     ↓
  2008年春に閉店しました。

東京、阿佐ヶ谷のけやき並木に面したギャラリーカフェ「西瓜糖」。この名前は、小説「西瓜糖の日々」から名付けられたそうです。
夏は木陰が目に涼しく、冬は葉を落としたけやきの樹姿が美しい。
時折けやきを眺めながら、アートに囲まれた時間を過ごすことができます。

若手の作家の発表の場を、25年もの間、この地で提供し続けてきました。
けやきのように、すっかりこの地に根づいた空間になっています。
おめあての作家の作品を尋ねるのもいいですが、偶然の出会いも、また楽しみです。

もちろん、お茶するだけの利用もOK。
バターケーキなど、ひねり具合がほどよいメニューもあります。さすがです。
たっぷりめのコーヒーに、ピスタチオが1粒ついてくるのもうれしい。
夜11時までやっていて、ワインも楽しめます。

なお、ここで「すいか糖」を味わうことはできません。念のため。

     

 

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